航空整備士になるには?王道の4つのルートを徹底解説
航空整備士になるルートは4つあります。航空専門学校・大学・高専・高卒からの就職です。
結論から言うと、いちばん確実なのは航空専門学校です。私自身、専門学校から航空整備士になりました。現場に出てからも、まわりは専門学校の出身者がいちばん多いです。
この記事では、現役の一等航空整備士である私・サクラが4つのルートを比べます。学校のパンフレットには書いていない、入ってからの話まで書きます。
航空整備士になるルートは4つ
まず全体像です。
| ルート | かかる年数 | 資格を取るタイミング | 現場での多さ |
|---|---|---|---|
| 航空専門学校 | 2〜4年 | 在学中に二等 | いちばん多い |
| 大学(航空工学系) | 4年 | 在学中または入社後 | 2番目に多い |
| 高等専門学校 | 5年 | 卒業後 | 少ない |
| 高卒から直接就職 | 0年 | 入社後 | 最近増えてきた |
「現場での多さ」は、私の職場で一緒に働いている整備士を見た実感です。
① 航空専門学校|私が選んだのはこのルート
私は航空専門学校から航空整備士になりました。
決め手は就職率です。学校案内に就職率100%と書いてあり、それだけを見て決めました。
高校卒業後に進学し、修業年限は2〜4年です。在学中に国家試験の受験資格を取れるカリキュラムが組まれているため、卒業と同時に二等航空整備士を目指せます。
現場に出てからも、まわりは専門学校の出身者がいちばん多いです。「最短で、いちばん確実」という評価は、実感としても正しいと思います。
主な航空専門学校
いずれも国土交通大臣が指定した養成施設です。
- 国際航空専門学校(埼玉県所沢市)
- 成田国際航空専門学校(茨城県取手市)
- 中日本航空専門学校(岐阜県関市)
- 日本航空大学校 北海道(北海道千歳市)
「指定養成施設」とは、卒業時に国家試験の実地試験が免除される学校のことです。指定を受けていない学校に行くと、あとから自力で実地試験を受けることになります。学校を選ぶときは、まずここを確認してください(国土交通省「航空従事者の養成について」)。
なお日本航空大学校は、名前に「大学校」と付きますが専門学校です。大学と間違えやすいので気をつけてください。
② 大学(航空工学系)|昇進や配属で差はつきません
大学の航空工学・機械工学・電子工学系の学部に進むルートです。4年かけて理論から学べます。
ここは正直に書きます。大学を出たから昇進が早い、いい部署に行ける、ということはありません。私の職場では、専門学校卒でも大学卒でも、配属も昇進も変わりません。
「大卒のほうが有利」と書いてある記事を見かけますが、少なくとも整備の現場ではそう感じません。学歴より、資格を取った年次と現場での経験のほうが効きます。
主な大学
- 崇城大学(熊本市)工学部 宇宙航空システム工学科 航空整備学専攻
大学で指定養成施設になっているところは少なく、崇城大学は2014年に大学として初めて認可を受けています。大学を卒業しながら整備士の資格も取りたい人には、有力な選択肢です。
③ 高等専門学校(高専)
中学卒業後に進学できる5年制の学校です。航空・機械・電気系の学科であれば、整備士を目指す土台を作れます。
ただし、航空整備士に特化したカリキュラムを持つ高専はほとんどありません。卒業後に専門学校へ進み直すか、就職してから資格を取ることになります。
私の職場にも高専の出身者はいます。ただ、専門学校や大学の出身者に比べると人数は多くありません。費用を抑えながら技術の基礎を固めたい人向けの、遠回りルートという位置づけです。
④ 高卒から直接就職|最近増えてきました
航空会社や整備専門会社の中には、高校卒業後に採用して、資格取得まで会社が育てる制度を持つところがあります。
この採用は、最近増えてきました。ただし、入りやすくなったわけではありません。採用枠が少なく、競争率が高いことに変わりはないからです。どんな人が採用されているのかまでは、私にも分かりません。
学費の負担なく業界に入れるのが最大の利点です。
資格はいつ取るのか|一等は入社後10年以内でした
航空整備士の国家資格は、二等と一等に分かれています。
- 二等航空整備士:専門学校や大学の在学中に取れる(指定養成施設の場合)
- 一等航空整備士:入社後に取るのがほとんど
私の場合、入社してから10年以内に一等航空整備士を取りました。一等がどれくらい難しいかは、一等航空整備士は難しい?に書いています。
そして、進路を考えている人にいちばん伝えたいのはここです。入社後の資格取得にかかる費用は、会社が出します。自腹ではありません。学生のうちの学費は自己負担ですが、入ってからの資格は会社が育ててくれます。
一人前になるまで何年かかるか
一人で作業を任されるまでにかかる時間は、早い人で5年以内です。
飛行機の整備は、資格を取ったら終わりではありません。機種ごとに覚えることがあり、経験を積みながら任される範囲が広がっていきます。
学費はいくらかかるのか
学費は学校によって大きく違います。ここで金額を書くことはしません。入学する年には変わっている可能性があるからです。志望校の公式サイトで、必ず最新の金額を確認してください。
はっきり言えるのは、負担が発生するのは学生のあいだだけ、ということです。前の章で書いたとおり、入社後の資格取得費用は会社が持ちます。
入ってからいくら稼げるのかは、航空整備士は稼げるの?年収のリアルにまとめました。
まとめ:迷ったら航空専門学校
| ルート | こんな人に向く |
|---|---|
| 航空専門学校 | 最短で確実に整備士になりたい |
| 大学 | 大卒の学歴も一緒に取りたい |
| 高専 | 中学卒業の時点で決まっている |
| 高卒から就職 | 学費をかけずに業界に入りたい |
迷っているなら航空専門学校です。私がそうでしたし、現場でいちばん多いのもこのルートです。
ただし、ルート選びの前に確かめておきたいことがあります。自分がこの仕事に向いているかどうかです。航空整備士に向いている人・向いていない人の特徴10選で10個の特徴に分けて書きました。
ルートを決める前に、そもそも航空整備士がどんな仕事なのかを知っておくと選びやすくなります。

