一等航空整備士の難易度は?受験資格・試験内容・勉強量を現役が解説
一等航空整備士の難易度は高く、航空整備士の資格の中で最上位です。私も一等を持っていますが、試験の前夜に調べても答えが見つからず、冷や汗をかきました。
この記事では、受験資格・試験の中身・合格までの勉強量を、現役の一等航空整備士が解説します。受験資格は、法律の原文で確認した内容です。
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私と同じ一等航空整備士が書いた本もあります。
『現役航空整備士が書いたかなりマニアックな飛行機豆知識』です。
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一等航空整備士の難易度は?暗記だけでは受からない
一等航空整備士の試験は、暗記だけでは合格できません。試験官は答えのあとに「なぜ?」と掘り下げ、理屈まで理解しているかを確かめます。
私のまわりでは、1回で受かる人と落ちる人がだいたい半々です。ネットには合格率の数字も出ていますが、国土交通省の公表データは見つかりませんでした。出どころがはっきりしないため、この記事では合格率を載せません。
難しいと言われる理由は、次の3つです。
- 受験までに4年以上の整備経験が必要
- 学科は4科目で、力学の理論まで出る
- 口述と実技で「なぜそうなっているのか」を説明させられる
一等航空整備士の受験資格|20歳以上・整備経験4年以上
受験資格は、航空法施行規則で決まっています。原文で確認した内容を表にまとめました。
| 項目 | 条件 | 根拠(航空法施行規則) |
|---|---|---|
| 年齢 | 20歳以上 | 第43条 |
| 整備の経験 | 4年以上(うち大型機の整備6か月以上) | 別表第二 |
| 国が指定する訓練課程を修了した場合 | 2年以上(うち大型機の整備6か月以上) | 別表第二 |
| 学科試験 | 機体・発動機・電子装備品等・航空法規等の4科目 | 別表第三 |
| 実地試験 | 口述試験と実技試験 | ― |
表の「大型機」は、法律では「飛行機輸送T」などの区分で書かれています。旅客機のような大きな飛行機が当てはまります。
「整備経験3年以上」と書いているサイトもありますが、3年は二等航空整備士の条件です。一等は4年なので注意してください。資格の種類は、国土交通省の航空従事者の資格制度のページにまとまっています。
学科試験|4科目をパソコンで受ける
学科試験は4科目で、パソコンで受けるCBT方式です。国土交通省の2025年度の資料では、試験は年6回あります。
- 航空法規等:40分
- 機体:80分
- 発動機:80分
- 電子装備品等:80分
受験料は、全科目で合計14,840円です(試験会場の運営会社に9,240円、国に5,600円)。
範囲は広く、「機体」だけでも流体力学・航空力学・材料力学の理論が入っています。整備の手順を覚えるだけでは足りません。
実地試験|飛行機のシステム全部を「なぜ?」で聞かれる
実地試験は、口述試験と実技試験の2つです。口述試験の範囲は、飛行機のシステム全部です。
答えを言っても、そこで終わりません。試験官は「なぜ?」「なぜ?」と続けて聞き、理屈まで分かっているかを確かめます。
口述で答えられなかったことを、翌日また聞かれた
私にも、冷や汗をかいた場面があります。口述試験で、ある質問に答えられませんでした。
その夜、答えを調べ直しました。ところが、手元の資料には答えが載っていませんでした。
翌日の実技試験の最中に、同じことをまた聞かれました。やはり答えられず、背中に冷たい汗が流れました。
それでも、結果は合格でした。試験官が見ているのは1問の正解より、全体として理屈を理解しているかだと感じています。

暗記ではなく、理解することが大事です。「なぜそうなっているのか」を自分の言葉で説明できるまで、勉強してください。
私の勉強時間と勉強法|試験前は月200時間近く
勉強期間は、トータルで1〜2年ほどでした。試験前の1〜2か月は、月200時間近く勉強していました。
月200時間は、1日あたり約6.7時間です。私はシフト勤務なので、勉強は出勤前と帰宅後にしていました。仕事と両立するには、生活のほとんどを勉強に回す必要があります。
勉強法は、次の2つです。
- 紙にひたすら書いて覚える
- 先輩に質問してもらい、口で答える
先輩の質問も試験と同じで、答えるたびに「なぜ?」が続きます。1人では練習できないため、周りの人に協力してもらうことが合格への近道です。
養成施設を修了すると、実地試験が免除されることも
国が指定した養成施設の課程を修了した人は、申請すると実地試験の全部または一部が免除されます(航空法施行規則 第50条の2)。
免除を受けられるのは、原則として修了から1年以内です。経験年数が2年に短くなる「国が指定する訓練課程」とは、別の制度です。
自分が修了した課程がどちらに当たるかは、学校や会社に確認するのが確実です。
一等を取ると、仕事はどう変わる?
一等を取ると、お給料が増えます。責任も増えますが、任される範囲が大きく変わるので、やりがいがあります。
いちばん大きな変化は、整備が終わった飛行機に「飛んでよい」と確認のサインができるようになることです。対象は、資格に付いた機種の範囲です。
航空整備士のお給料については、航空整備士は稼げるの?年収のリアルにまとめました。
資格は、取って終わりではありません。飛行機を定刻に出発させるには、不具合への対処の技量が問われます。取ったあとも、機体の勉強は続きます。不具合を解決できたときの達成感は最高です😽
まとめ
- 一等航空整備士の難易度は高く、暗記だけでは受からない
- 受験資格は20歳以上・整備経験4年以上(指定の訓練課程を修了した場合は2年以上)
- 学科は4科目、実地は口述と実技。どちらも理屈の理解を問われる
- 私は試験前の1〜2か月、月200時間近く勉強した
これから航空整備士を目指す方は、航空整備士になるには?王道の4つのルートも読んでみてください。

