整備士記事

航空整備士に英語は必要?どのくらいできればいいか現役が本音で解説

航空整備士に英語は必要かをマニュアルで勉強するサクラ
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「航空整備士に英語は必要って聞くけど、英語が苦手な自分でもなれるのかな…」——整備士を目指す方から本当によく聞かれる質問です。
結論から言うと、英語は必要です。でも「ペラペラに話せる英語力」は必要ありません。この記事では、現役一等航空整備士の私が、現場でどんな英語を・どのくらい使うのか、英語が苦手だった人がどうやって乗り越えているのかを本音で解説します。

結論:航空整備士に英語は必要。ただし「読める」が9割

航空整備士に英語は必要か?と聞かれたら、答えはYESです。ただし、求められるのは英会話力ではなく、決まった形式の英語を「読める」ことが中心です。イメージとしては「英語で雑談する力」ではなく「英語の説明書を辞書を引きながら読める力」。この違いが分かると、必要以上に怖がらなくてよくなります。

なぜ英語が必要?現場の3つの場面

① 整備マニュアルがすべて英語だから

これが最大の理由です。ボーイングもエアバスも、機体の整備マニュアルはすべて英語で書かれています。作業の手順・基準値・注意事項は、この英語のマニュアルを読んで確認します。日本語版はありません。整備士は毎日、英語の文書と向き合う仕事なのです。

② 整備記録も英語で書くから

「どんな不具合があって、どう処置したか」という整備記録も、基本的に英語で記入します。とはいえ、これは自由英作文ではなく、決まった専門用語と定型表現の組み合わせ。テンプレートに沿って書く事務的な英語なので、慣れれば誰でも書けるようになります。

③ 海外のスタッフ・メーカーとやりとりする場面があるから

海外の空港での作業や、機体メーカー(ボーイング・エアバス)への問い合わせなど、部署やキャリアによっては英語でのコミュニケーションが発生します。ここは会話力が要る場面ですが、全員に最初から求められるものではなく、キャリアの選択肢を広げるための英語という位置づけです。

どのくらいできればいい?レベル感の目安

「じゃあ具体的にどのくらい?」という疑問に、現場感覚でお答えします。

  • スタート時点…中学〜高校レベルの英文法と読解力があれば十分戦えます。採用時にTOEICの点数を目安にする会社もありますが、要求水準は会社・職種によって幅があります(募集要項で必ず確認を)
  • 現場で使う英語…「中学英文法+航空の専門単語」の組み合わせ。文構造はシンプルで、同じ単語・同じ表現が繰り返し出てきます
  • 目指したいレベル…マニュアルを辞書を引きつつ正確に読める。記録を定型表現で書ける。これで日常業務は回ります

大事なのは、正確に読めること>速く読めること>話せることという優先順位です。安全に関わる仕事なので、「なんとなく読めた」ではなく「正確に理解した」が求められます。

英語が苦手でも大丈夫。現役が見てきた現実

正直に言うと、私の周りにも「英語は大の苦手だった」という整備士はたくさんいます。それでも現場で活躍できている理由は3つあります。

  • 毎日同じ単語に触れるから、嫌でも覚える…inspection(点検)、replace(交換)など、頻出単語は数百語レベル。日常的に見るので自然に頭に入ります
  • 先輩も通ってきた道だから、教えてもらえる…読み方のコツや頻出表現は、現場で受け継がれています
  • 翻訳アプリも武器になる…実は現場でも翻訳アプリは普通に使われています。下読みをアプリに任せられる分、昔よりずっとハードルは下がっています

「英語が得意だから整備士になれる」のではなく、「整備士になってから、仕事で使う英語が身についていく」——これが現場のリアルです。

今からできる英語の準備3つ

  1. 中学英文法をやり直す…マニュアル英語の土台はここ。高度な文法は不要です
  2. 英語を「読む」習慣をつける…短い英文でOK。読むことへの抵抗をなくすのが目的です
  3. 航空の英単語に触れてみる…aircraft、engine、landing gear…好きな飛行機の話題なら単語も楽しく覚えられます
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よくある質問

Q. 留学経験は必要?
A. 不要です。私の周りでも留学経験者は少数派。現場の英語は国内で十分身につきます。

Q. 英検やTOEICは取っておくべき?
A. 必須ではありませんが、履歴書での「英語への抵抗がない証明」にはなります。目指すなら高得点よりも「読解の基礎固め」を優先するのが現場的にはおすすめです。

Q. 翻訳アプリを使えばいいのでは?
A. 実は、現場でも翻訳アプリはバリバリ使っています。ただし翻訳は完璧ではないので、最後は自分で原文を読み解いて正確に理解する必要があります。「アプリで下読み→原文で確認」が現場のリアルな使い方。だからこそ基礎的な読解力は必要、というわけです。

まとめ:英語は「壁」ではなく「あとから付いてくる道具」

航空整備士に英語は必要です。ただしそれは「英語の説明書を正確に読む力」であって、ペラペラの英会話力ではありません。中学英語の土台があれば、あとは現場で毎日使いながら自然に身についていきます。

「英語が苦手だから」という理由だけで整備士の道を諦めるのは、本当にもったいない。英語はあなたを落とすための壁ではなく、仕事を安全に進めるための道具です。道具の使い方は、現場が教えてくれます。

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航空従事者の資格制度については国土交通省 航空局の公式サイトもご参照ください。

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サクラ
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一等航空整備士
一等航空整備士の資格を持つ、現役の航空整備士です。 日本国内はもちろん、海外でも整備士としての経験を積んできました。 日々、飛行機と向き合う中で感じたことや、現場で学んだリアルな知識を発信しています✈️ 航空ニュースの深掘りや、普段はあまり知られていない整備の裏側、そして空の魅力まで。 飛行機がもっと面白くなる、そんなきっかけを届けられたら嬉しいです。
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